研究記事

2035年以降は正社員という働き方がなくなる可能性も。これから仕事で生き残るためには?

リモートワークの普及により、会社に出勤して働くといった概念が崩れつつある昨今。厚生労働省ではすでに2016年時点で従来の働き方とは違った未来が予測されていたことをご存知でしょうか。
今回は、今後の日本の働き方の変化予測とこれから私たちができることについて紹介していきます。

2035年以降に正社員はいなくなる?!

厚生労働省が2016年8月に出した「働き方の未来予測報告書」では、2035年頃には正社員=1つの会社で働くといった概念がなくなると予測しています。

働き方の選択が自由になることで、働く時間をすべて一つのプロジェクトに使う必要はなくなる。複数のプロジェクトに時間を割り振るということも当然出てくる。もちろん、一つの会社、一つのプロジェクトに従事する場合もあるだろうが、複数の会社の複数のプロジェクトに同時に従事するというケースも多く出てくるだろう。

引用:厚生労働省働き方の未来 2035


以前は副業を禁止していた企業も多くありましたが、2023年現在では副業をOKにする会社が増え、政府も副業を解禁するような政策を推し進めています。

その結果、日本のフリーランス人口も増え、『新・フリーランス実態調査 2021-2022年版』の情報によると、2022年のフリーランス人口は1,577万人となりました。

引用:新・フリーランス実態調査 2021-2022年版

「働き方の未来予測報告書」が出る前の2015年よりフリーランス人口が640万人増えている結果となり、以前よりも多様な働き方をする人が増えてきたことが伺えます。

働き方が多様になってきた理由と背景は?

従来、日本の一般的とされる働き方は正社員で入社し、終身雇用で定年まで務めあげることでした。

しかし、近年は多様的な働き方も認められつつあり、この概念も変わりつつあります。

その理由と背景には、以下の3つが挙げられます。

1.少子高齢化社会
「厚生労働省働き方の未来 2035」によると、世界人口は2016年時点で73億人から2035年には85億人まで増加すると言われていますが、日本では1.27億人から1.12億人に減少すると予測されています。

さらに、労働力のピラミッドは崩れ、現在よりも少子高齢化の時代に突入すると言われています。

そのため、労働人口を確保するために高齢者でも長く働ける労働環境や、女性の活躍、外国人労働者の受け入れなどに力を入れることを目標としています。

2.AIやVRなどのテクノロジー進化による職業の変化
AIやVRの進化が著しい昨今では、それに関連した産業が多くなりつつあると2016年時点で予測されています。

2023年現在、セルフレジの導入やお掃除ロボットなどが一般化したことにより、これに代替していた人員は削減され、別の業務に移っています。

3.リモートワークの普及
新型コロナウイルスの影響により、リモート化が進み自宅やカフェにいても仕事ができる環境になりました。必ず会社に出社して働かなければならないという概念が崩れ、多くの業種・職種でより多様的な働き方を選択する人が増えたと伺えます。

厚生労働省の2035年の働き方予測を要約!これからの働き方を考える

「厚生労働省働き方の未来 2035」では、今までの概念とは異なった働き方を行っていると様々な視点から予測されています。

次は、その予測を詳しく解説し、これからの働き方について解説していきます。

【2035年以降の働き方予測要約】
①時間や空間に縛られない働き方へ→自分のライフスタイルによって仕事や職場環境だけでなく、働く時間や場所も選べる時代となります。

②仕事=充実感を求める働き方へ→従来は、仕事=お金を稼ぐという考えが強かったですが、今後は自分で働く意味を考えて選択する時代になるだろうと言われています。

③雇用システムの変化→自由な働き方が増えると、企業として組織の仕組み自体が変わる可能性が高まります。したがって、今までのような労働形態(雇用関係に基づいた働き方)が少なくなっていくでしょう。

④プロジェクトに合わせて人材を集める→働く人が働くスタイルを選択する時代となります。1つのプロジェクトに賛同した人材が全国各地からリモートで繋がる時代となっていくでしょう。

⑤副業・複業が当たり前の時代に→様々なスタイルで働く人が増えるため、2~3つ仕事を掛け持ちしている副業・複業状態が一般化すると言われています。

⑥会社の繋がりより同じ職種の繋がりが強くなる→会社という概念が薄れるため、同じ職種の繋がりの方が強くなります。今後はSNSを活用して繋がる時代となるでしょう。

⑦世界と地方が繋がりやすく→今までは大手企業のみが世界とのビジネス関係にあることが多かった時代でしたが、場所に捉われない働き方が進んだため、地方に住んでいる個人でも世界と容易に繋がりビジネスが可能となります。

⑧介護や子育て世代も働きやすい社会に→AI技術が進むことにより、介護や育児の負担が減ると予測されています。介護や育児などの理由で働きたくても働けなかった人材も働くことが可能な社会となっていきます。

⑨多様性を認め、全ての人が働きやすい時代へ→時間や場所に捉われない働き方が一般的になると、外見や性別、国籍などすべての偏見や差別が少なくなるため、より様々な人が混ざりあった多様な働き方が実現すると言われています。

2035年までに私たちが準備できることは?

このように、2035年までに従来の働き方ではなく、様々な働き方が一般的になってくると予測されています。今から私たちに準備できることは何かあるのでしょうか?

働き方予測をふまえて私たちが今できることは以下のことが挙げられます。

・今まで本業1本だった人は、副業や複業を視野に入れて仕事を探す
・現時点で副業OKの会社に勤めている場合は、副業を試しに始めてみる
・充実感を優先した働き方を見据えるならば、自分が夢中になれることを明確にしておく
・世の中の動向や情報を敏感にキャッチしておく
・正社員という働き方がなくなった場合に備えて、スキルや資格を習得する

まとめ:2035年以降は正社員という働き方がなくなる可能性もある。これからの働き方に対応したスキルを

厚生労働省の未来予測では、これからの働き方として終身雇用を前提とする人よりも、多様な働き方を前提とする人が多くなると予測されています。今までは、会社に入社すれば安心だったかもしれませんが、今後は、正社員という雇用形態がなくなる可能性もあります。

正社員という制度がなくなった場合でも、自分のやりたいことが明確化、且つどのような働き方をしたいかによって行動が変わります。

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