「伝えたいことが伝わらない」「言葉で言い表せない」といった経験はありませんか?これらはなぜ起こってしまうのか。答えは「言語化能力」が足りていないからです。 では、どうすれば「言語化能力」を鍛えることができるのか、一緒に見ていきましょう。
なぜ自分の考えが相手に伝わりにくいのか
自分の考えやアイデアを相手に伝えるためには、言語化能力を高める必要があります。言語化能力とは「頭の中で考えていることを言葉に変換し、相手が理解しやすい表現で伝える力のこと」例えば○○…のようなことを指します。
自分の頭の中ではなんとなく思っていることがあっても、言葉にできなくては相手に伝わりません。
言いたいことを言うよりも、伝えたいことを伝える(理解してもらう)ほうが重要となります。
言語化に必要な能力とは
言語化能力を高めるために必要な能力は、4つあります。
・観察力
・思考力
・語彙力
・要約力
それぞれ詳しく解説していきましょう。
・観察力
観察力が身につくと、変化や違和感に気づいたり、物事の本質を見抜いたりすることができるようになります。普段から周囲を見渡し、気になるものを見つけて観察力を鍛えられます。
・思考力
複雑なものをシンプルに整理することができます。また、正しい論理構造の組み立て方や、因果関係の捉え方も身につけることができます。論理的思考力をつけることをおすすめします。
・語彙力
例えば「大丈夫」という言葉には複数の意味があります。このように、日本語はとても表現豊かな言語で、似たような意味でも微妙にニュアンスの異なる単語がたくさんあります。
同じ表現でも、いろいろなバリエーションを持っている方が、シーンによって的確な言葉を選択でき、自分の伝えたいことをより正確に伝えることができます。語彙力を鍛えるために読書をおすすめします。普段触れないような領域の本も読んで、新たな言葉を仕入れましょう。
・要約力
相手に分かりやすく伝えるには端的にまとめる力が求められます。
「ダラダラ話してしまう癖があるかも…」という人は、短くまとめる練習をしていきましょう。私がおすすめする方法の1つとしてX(旧「Twitter」)を活用する方法があります。Xは140字という文字数制限があります。
制限の中で伝えたいことや主張を書くためには、言葉を削ったり表現を変えたりする必要があります。これを意識しながらXを活用すると、自ずと要約力が身に付くでしょう。
言語化能力を高めるための特訓方法3選!
言語化に必要な能力はどれも今すぐ変わるものではなく、日頃から養っていく必要がありますが、日々の「意識」によっても変えられます。ここでは言語化能力を高める特訓方法として、3つの方法をご紹介します。
・5W1Hを意識する
5W1Hは、「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」のことです。
これらを日常会話などで意識することで、考えを整理して話すことができ、相手も理解しやすくなります。
試しに5W1Hを意識していない場合と意識した場合を比べてみましょう。
状況:先日行われた会議について、上司に報告する
〈5W1Hを意識していない場合〉(5W1Hを考えない)
「会議した結果、雑費を使うときは報告することになりました。」〈5W1Hを意識した場合〉(5W1Hを全て入れる)
「一昨日の15時 (When) に3階のA会議室 (Where) にて各部署の担当者 (Who) による自社における部署ごとの現状報告会 (What) がおこなわれました。
会議の結果、雑費が突出して多いことがわかった (Why) ため、雑費として何にどれくらい使うのか随時報告する(How) ことが決定しました。」
どちらが理解しやすいかは一目瞭然です。
5W1Hを意識しない場合「いつの会議?」「誰の発言?」「何故そのように決まったのか?」など疑問が出てきます。
話を聞いた人の過半数以上が持ちそうな疑問は、予め説明しておきましょう。もちろん、「全ての場面で5W1Hを意識して詳しく話すべきだ!」とはいえません。
例えば、親しい友人間などの会話や家族内の会話では簡潔に結果だけ話し、聞かれた質問に答えるというほうが好まれる場面もあります。
5W1Hを意識するか否かを変えるだけで、どちらの状況においても対応できます。しかし5W1Hを意識するためには、普段から意識して会話を練習しておく必要があることを覚えておきましょう。
・積極的にアウトプットする
積極的にアウトプットするというのは、考えを言語化し整理するための練習をすること。普段から意識しておくことでスムーズにに思考をアウトプットできるようになります。「何をアウトプットしたらいいのかわからない」と始めは悩んでしまうかも知れません。
しかし、そんな心配はいりません・アウトプットとは特別なことをするわけではありません。例えばこんな練習法があります。
【アウトプットの例】
・映画を観て、レビューを書く
・本を読んで、書評を書く
・日々の出来事をブログに書く
・ちょっとした出来事をSNSに書く
・学んだこと(インプット、経験)を人に説明する
このようにアウトプットする練習を重ねることで、考えの言語化が身につきます。最初は3行日記から始めてみても良いでしょう。3行日記の場合は、「今日の良かったこと」「今日の良くなかったこと」「明日の目標」を書くことをお勧めします。「起きたこと」と「考えたこと」を文字に起こし、頭の中を整理することができます。これこそが言語化です。
慣れてきたらアウトプット先を変えてみましょう。
例えば…
自分だけが見る日記 → SNS → noteやブログ記事 など
注目すべきは規模ではなく、「誰が見るか」です。「誰が見るか」いわば「誰に伝えたいか」を考えながら書くことで、アウトプットのレベルが上がります。
日記は自分しか見ない文章ですが、SNSに書き出すことにより、友人や知り合いが文章をみることになります。また、記事執筆となると不特定多数が見ることになります。
これは、私の体験談でもあります。
私自身、インターンシップに参加した際に、体験記事を書きました。インターンシップ参加前は日記は書けても、SNSや記事の投稿は書けませんでした。
しかしインターンシップにおいて、決められたテーマで短い記事をいくつか書きました。慣れてきたらテーマも自分で考えたり、記事の文字数を多くしたりとレベルアップしていくのを感じたのです。
もちろん、初めから数千字〜数万字を書く必要はありません。少しずつレベルアップして、文字数を増やしていき、言語化能力を成長させましょう。
まとめ
今回は、なぜ自分の考えが相手に伝わりにくいのかを解説し、言語化に必要な能力4つを踏まえた上で、言語化するための練習方法をお伝えしました。
言語化には「観察力」「思考力」「語彙力」「要約力」の4つの能力が必要です。そして「5W1Hを意識すること」「積極的にアウトプットすること」が大切です。何事も最初から完璧にできる人はいません。日常的に意識し、練習することで少しずつ成長していきます。あなたもこの記事に倣って、言語化能力を高めていきましょう。
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