子育てをしていると我が子の行動が気になり、あれこれ注意してしまっていませんか?実は、子どもに対する注意の仕方に気をつけないと、子どもの自己肯定感が下がってしまうかも。
今回は、自己肯定感を下げない注意の仕方を解説していきます。日本の子育ての価値観と海外の子育て事情を交えながら解説していきますので、今後の子育てのヒントにしていければ幸いです。
現代の子育て事情と日本の教育価値観
自分の子どもには、「将来できることを増やしてほしい」「可能性を広げてあげたい」そんな思いを持っている親御さんも多くいるでしょう。
一方で「子育てはのびのびと育てたい」「成長の途中段階だから失敗は当たり前」と思っていても、ついつい他人の子と比べて落ち込んでしまう…なんて経験はありませんか?
他人の子ができているのに、自分の子はできていない…と感じてしまうのは日本古来の教育価値観に影響されているのが1つの理由です。
日本の教育では従来より、「普通」「平均」という概念が根強くあります。現代は多様性が認められつつある時代ですが、子どもの定期健診などにいくとイヤでも平均以上の成長をチェックさせられます。
そのため、「他人に迷惑をかけないように」「成長段階で平均以上にしなければ」といった他人と比べる子育てになってしまう思考となってしまいがちです。
子どもにダメ出しをする注意の仕方で起こる影響
子どもが間違ったことをした際に注意するのは、子育てを行う上で誰しもが通る道です。理想では、子どもに分かるように話せば理解するものだろう…と思っていても子どもの個性によって1回で理解する子もいれば、すぐに忘れてしまう子など様々。
そして、さっき注意したことなのに、また過ちを犯してしまう…ということも子育てを行っているとよくあることです。
そんな何回も同じことを注意しなければならない状況に陥った時に「子どもにダメ出しをする注意の仕方」をしてはいませんか?
【子どもにダメ出しをする注意の仕方の例】
・さっきも言ったでしょ?
・何回言えば分かるの?
・この間もそうだったよね
・片付け今日はできてないね etc…
このような注意の仕方は、子どもの自己肯定感が下がってしまいます。また、子どもの自己肯定感が下がると以下のような影響がありますので、注意が必要です!
【子どもの自己肯定感が下がることで起こる影響】
・親の顔色ばかり伺う行動をとる
・学ぶ機会を失う
・自分をダメ人間だと思い込んでしまう
親の顔色ばかり伺う行動をとる
親に怒られないように行動するようになるため、自分の行動は親に決めてもらうといった思考になってしまいます。
学ぶ機会を失う
「親に叱られるのではないか」といった思考が先に出てしまうため、新たな挑戦に尻込みしてしまう傾向があります。子どもの家は失敗から学ぶこともありますが、失敗ができない環境だと挑戦することを恐れてしまうためです。
自分をダメ人間だと思い込んでしまう
昨日できていても今日はできなかったということはありませんか?
例えば、部屋の片づけなど体調やスケジュールの関係でいつもできたことができなかったという日があるかもしれません。そんなできなかった日だけを指摘するような声掛けを繰り返していると、子どもは「自分は何をやってもできない人間だ」と自己肯定感が下がってしまう恐れがあります。
子どもに対して注意をするポイントは?
2023年2月に公開されたヤフーニュース「子どもを正しく叱れてる?注意するのは「ふたつ」だけ」によると、NLP心理学(神経言語プログラミング)では、人間の意識レベルは6つに分けられていると書かれています。
【NLP心理学に基づいた人間の意識レベル】
1.スピリチュアル→目に見えない世界のことを指し、魂や精神のこと
2.自己認識→自分の役割を認識すること
3.信念・価値観→夜は早く寝た方がよい、朝食はしっかり食べた方がいいなど自分に関する信じていること
4.能力→パソコンスキル、コミュニケーション力など
5.行動→トイレにいったら手を洗う、朝は7時に起きるなど
6.環境(身を置いている場所と時)→学校、自分の部屋、庭など
この6つの意識レベルのうち子どもに注意して良いことは「行動」「環境」の2つだけとなります。
行動に関する例としては、「トイレに行ったら手を洗う約束なのに忘れているよ」「今日は朝7時に起きる約束なのに守れていないよ」など。
環境に関する例では「部屋を片付ける約束だけどものが散らかっているよ」「何時に集合の約束なのに守れていないよ」などが当たります。
反対に、「パソコンレベルがここまでできていない」「私は○○と思う価値観を持っているのに、あなたはそう思わないのはおかしい」など人格を否定するような発言や注意の仕方をしているのであれば、自己肯定感が下がる恐れがありますので、今すぐ見直した方が良いでしょう。
海外の子育てからその国それぞれの注意の仕方を学んでみよう!
各国で文化や習慣の違いがあるのは当然ですが、子どもに対する注意の仕方にも違いがあり、大変興味深いです。
【アメリカ】
アメリカでは、子どもに対して大声で怒鳴ったら、通報される可能性があります。
【イギリス】
イギリスでは体罰は法律で禁止されているので、子どもを注意する場合、絶対に叩いてはいけません。しかし、イギリスではマナーに厳しい文化と言われていますので、食事のマナーや挨拶などは、小さい頃からしっかりと教わります。
【フィンランド】
フィンランドでは、大人も子どもも大声を出すことは禁止されています。フィンランドの教育として一日の終わりにたっぷりと話すことを大切にする教育観があります。コミュニケーションが躾とされているので、家族での団らんを重要視しているようです。
欧米では怒鳴ったり大声を出したりする注意はせず、子どもの年齢×分数で1人で考える時間を作る「タイムアウト方法」が一般的です。
海外移住した佐久間さんが日本と海外の子育ての違いに驚いたこと
佐久間さんは、2021年に息子さんの語学力向上のためにヨーロッパへ海外移住を行いました。海外移住を通して日本との子育て観の違いに驚いたそう。
日本では注意をする際に「周りに迷惑がかかるから」といった場面を多く見ましたが、海外ではまったく違いました。
海外では、「私は今の行動はいけないことだと思う」などといった親の意見を述べて、子どもに考えさせるといった注意の仕方をしていたそうです。
佐久間さんが海外の子育てで感じたことは、「親の意見も伝え、子どもがなぜ注意されたのかしっかりと考え伝えるといった文化が、躾の部分でも表れている」ということ。
日本との躾の違いを興味深く感じていました。
まとめ:自己肯定感を下げる注意は子どもの思考に影響あり!注意の仕方を意識した子育てを
今回は、現代の子育て事情や日本の教育価値観から見える子どもへの適切な注意の仕方をお伝えしました。
日本の教育価値観では、常に周りの目を気にした文化が影響しているため、知らず知らずのうちに子どもの自己肯定感が下がる注意の仕方をしていたという方もいるかもしれません。
子どもに注意する際には「行動」と「環境」に関してのみ意識して注意すれば良いことを念頭においておきましょう。
この記事を読んで、少し子育てに対して気が楽になっていただければ幸いです。
今回は、海外の子育て観について少し触れましたが、リモートワークブックでは、海外と日本と教育概念の違いについて他の記事にまとめています。
英語教育に関する記事では、”英語ができて当たり前の時代が到来!現代の日本教育だけではまずいわけ”の記事で詳しく紹介しています。
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