研究記事

結婚後の女性がライフスタイルの変化に合わせて働き方を選択するための大事な軸とは?

一昔前の日本では、「結婚後の女性は家事育児に専念するのが勤め」という固定観念が強く、政府や企業のサポートも充実していなかったため、結婚後や出産後に働きたいと思っても、再就職は難しい事情がありました。
しかし、近年では、産休育休制度や再雇用の制度も整いつつあり、働く女性の勤務環境も見直されています。そんな中、女性が理想の働き方として何を求めているのかご存じでしょうか?

今回は、昨今の女性を取り巻く環境と理想の働き方と現実を比較し、理想を叶える働き方についてまとめました。

現代女性を取り巻く仕事環境は?

「男性は外で働き、女性は家庭を守るもの」という価値観が根強く残っていたかつての日本。しかし、1986年に男女雇用機会均等法が施行された頃から、女性も社会で活躍できる職場環境をという考え方にシフトチェンジが行われてきました。

厚生労働省の調査によると、2021年では共働き世帯が過去最高の68.8%となり、結婚後も働き続ける女性が増えているそうです。

しかし、環境が整っていても働きづらさを感じている女性も多いのではないでしょうか。

では働きづらいと感じる理由はどこにあるのでしょうか?

どの年代の女性も働きづらさを感じながら働いている

<子育て世代の女性>
【研究編】共働きにのしかかるワーママの限界!仕事との両立のコツは”の記事で紹介したデータにもありましたが、男女別の家事育児の負担率は、平日で約2倍、休日でも約3倍の時間を費やしていることが分かります。

・仕事+家事育児の負担が夫より数倍
・時間に追われる生活
・産休育休前と比べ仕事に集中できないもどかしさ

<20代の新卒〜結婚前までの女性>
20代の多くは、フルタイムで働くことが多くキャリア構築に重要な期間。覚えることも多いため、研修や勉強会・出張等もあり、体力的にも時間的にも忙しい日々を送っている人も多いと思います。

・時間的制約が多いわりに収入に繋がらないもどかしさ
・仕事にも慣れ一段階。キャリアが上がる頃に結婚の選択肢
・仕事か家庭かどちらを優先すべきか悩む
・結婚相手次第では、キャリアを諦めなければならない

<40~50代以降の子育てが落ち着いた女性>
キャリア構築、出産・子育てが落ち着いた後もこれまで女性が中心となって対応してきた実親や義理親の介護問題。
また、介護だけでなく、自らの健康に対して日頃から気を配っていても病気が発覚したり、更年期障害が始まったりと様々な問題が起こります。

・親の介護問題
・家族や自分の健康など

どの年代であってもライフステージが変わる度に女性が主体となって解決しなければ問題が発生するため、その都度状況に合わせて働き方を変えることが多く、自分の理想とは違った働き方を選択せざるをえないという女性は少なくないのです。

【現代女性の理想の働き方とは?】
では、現代女性の理想の働き方とはどのような選択肢があるのでしょうか。「パソナ総合研究所」 が2019年に実施した『女性活躍推進に関する意識調査』のデータでは「結婚生活や子育てと両立して働く」「一般職として働く(役職にはつかないような働き方)」「個人事業主(働き方が自由に選択できる)」という働き方が理想と答える人が多かったようです。

自分の理想に近い働き方をするには?

自分の理想に近い働き方をするためには「自分にとって必要な条件と理想の状態を明確にしておくこと」が重要です。

例えば…
・何かあった時に家族のサポートができるように勤務地は自宅付近であるか
・資格が活かされる仕事として、投資した以上の報酬があるか
・職場環境を最優先とし、ストレスなく過ごせるか

上記のように、まずは自分が大事にしたいと考えている部分を明確にして、当てはまる会社や仕事選びをすることが重要です。そのうえで、自分らしく働くためにどのような視点を持っておくと良いのか、働き方の価値観別にポイントをお伝えします!

【キャリア重視】
スキルアップ・研修制度などキャリアの幅や経験値を向上させられる会社であるかを見極める必要があります。
ライフステージの変化があっても、仕事を最優先する場合、仕事に投資した時間や労力が自己の成長や報酬につながっていなければ最終的にバランスを取ることが難しくなります。

5年後、10年後その会社で自分がどのようなポジションでどのように働いていきたいか具体的な目標を定め、そこに到達するためにはどのようなスキルや経験や資格や人脈等が必要なのか、事前に計画を立てたりリサーチをして人生のプランニングを行えるとGood◎。

【子育て優先】
「休みがとりやすいか」「土日祝日は完全に休めるのか」「子どもの予定に合わせられる労働時間や勤務条件面での柔軟さがある」などの視点を持つと良いでしょう。
女性を多く雇用している職場の場合、家庭事情に合わせた働き方を選択できるように配慮している企業も多くあります。
また、完全在宅勤務をOKにしていたり、労働形態が正社員だけでなくフリーランスとして働くことが可能な会社であれば、休みを自分でコントロールできる可能性も高いため、正社員から業務委託契約に契約形態を変更してもらうのも一つの手かもしれません。

【やりがい】
自分のワクワク感を重視し、どんなことにワクワクするのか、ワクワクするチャレンジをさせてもらえる機会がどれだけあるかを入社前に確かめる必要があります。人によってやりがいの定義は異なりますし、実際の仕事に従事する前に「こんな会社に入社したら」や「こんな仕事だったら」と過度な期待を抱いて入社してしまうのは危険です。

やりがいというのは実際に働いてみて”感じる”部分であるため、大事にしたい感覚は何かを明確にして、その感覚を体感する機会がどのくらい発生しそうであるか、会社の方針として既に定着している仕事の進め方など詳細な仕事内容をイメージできるように質問を準備しておくと良いと思います。ような選択ができるのかを考えていかなければなりません。

【職場環境】
職場環境といっても見極めるポイントは様々です。
たとえば、同僚は何名くらいいて上司はどのようなキャリアや経歴を持ったどのようなタイプの人物であるか。
また、社内ルールや業務以外での社員との関わりがどれほどあるか、社内で働くメンバーがどのように働いているか等、入社前の職場見学や面接時の雰囲気などから把握することができますので、事前の口コミチェックなどと併せて見極めができると良いかもしれません。

【ワークスタイル】
一番気にしなくてはいけないのが「自分のスタイルに合っているか」どうかです。
会社が持つ特徴と、自らが譲れないポイントがうまく合致しなければ、ワークスタイル重視で会社選びをした場合にミスマッチを引き起こしてしまいます。たとえば、朝早く起きることが苦痛な人にとって、早朝勤務がマストであったり朝の会議が多い職場を選ぶのはワークスタイルがマッチしているとは言えません。体力がない人が力仕事を選択するのも、継続面から見ても非現実的です。
自分の体調や生活習慣から得手不得手を見極め、自分に合った働き方を探していけると良いですね。

自分らしい働き方を選択した女性を紹介!

私たちプラスカラーは、昨今の働き方の多様化に焦点を当て、様々な企業で働く女性にインタビューを行っています。

今回は、ワーキングママや自分らしい働き方を選択した女性たちのインタビュー事例を一部ご紹介したいと思います。

事例1)30歳ワーママ。背伸びしすぎない子育てと自分らしいキャリアの選択(株式会社シェアメディカル 五百川さん)

医療系ベンチャーに未経験で飛び込んだ五百川さん。
現在お子さんは保育園に預けず、リモートワークをしながら育児と仕事と両立した働き方を選択しています。
理由は、不妊治療を経て授かった子どもと一緒に過ごしながら、全力で子育てを楽しみたいと考えたため。未来のキャリアを見据えながらも、今は子ども優先での働き方をしています。

事例2)38歳、2歳差兄妹のワーママ。 毎日の成長を見守りながらキャリアアップも諦めない(ソフトバンク株式会社 辰巳さん)

2歳差の兄妹を持つワーママの辰巳さん。復職した当初は仕事も育児も中途半端になっているのではないかと何度もジレンマを感じていたそう。
そんな時に、営業職の女性が復職できる環境を整えようという構想が立ち上がり、「キッズスペース付きワーキングスペース」が完成しました。
ワーキングママが子どもと一緒に出社し、保育スタッフが常駐し子どもの相手をしてくれるそう。子どもの成長をみながら仕事に集中できる環境で、両立を図っています。

事例3)入社11年目ワーママ。MRから人事へ転身。会社と自分をしなやかに融合させキャリアを描く。(株式会社ツムラ 築地さん)

半年間猛勉強後、配属された赴任地で同僚だった夫と職場結婚し、約7年半キャリアを積んだMRから管理部門へと異動した築地さん。
自らのキャリアを5年後、10年後を描き、半年ごとに自己申告書を提出する際に、「管理系の部門でのキャリア形成も考えていると提出」管理職は、未経験であったが、育児の両立を考えた上で選択したのだそう。
ツムラではフレックス出社や半日有給など、子育てや介護で手助けとなる充実した制度が整っているため有効活用しながら仕事との両立を図っています。

まとめ:女性の働き方はライフスタイルによって変化しやすい理想の働き方は価値観の明確化によって叶う。

今回は、昨今の働く女性を取り巻く環境を整理しながら、世代別に持つ悩みについて紹介しました。

ライフスタイルの変化に適応しながら理想の働き方を追求するのは大変ですが、これまでスタンダードであった「正社員」という働き方から少し視野を広げることで、理想の働き方を見つけることができるかもしれません。

キャリアを諦めずに働きたい方、介護や育児の時間の合間に働きたい方、職場環境に悩みを持っている方など、働き方の選択肢を広げて新たなチャレンジをしてみることをオススメします。

【ネクストステップの1ポイントアドバイス】

リモートができる職種であれば、「家族が急病になった」「夫が転勤になった」「祖父母の同居が決まり、日中は外で仕事ができない」などライフステージの変化があってもこれまでと同様に仕事を続けることが可能です。

リモートワークブックでは様々な働き方を研究した記事を公開しています。

リモートに興味がある人は”自由な働き方を手に入れたい!未経験から完全リモートで働く方法とは?”の記事を公開していますので、併せてご覧ください。

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