多様な働き方の一つとして、「キャリアブレイク」を取り入れる人生設計があります。キャリアブレイクとは、キャリアを一旦ストップして、長期休暇をとるという考え方です。人生100年時代と言われる昨今、必然的に仕事に向き合う時間も長くなるはず。今回は、「キャリアブレイク」の本質や効果について紹介したいと思います。
欧州で浸透中の「キャリアブレイク」とは?
ワークライフバランスを考えた働き方を目的に、キャリアを一旦ストップして長期休暇を取得し、人生の再設計をすることを「キャリアブレイク」と言うそうです。
キャリアブレイク期間は、起業や留学、大学に入って勉強するなどの学び直しの時間にする人もいれば、介護や子育てに集中して取り組む時間にする人など、様々な時間の使い方があります。
日本で長期休暇というと、”ブランク期間”と捉えられ、ネガティブなイメージを持つ人が多いのが現状ですが、欧州でのキャリアブレイク期間は、企業側でも肯定的なものと認識していることが多いそうです。
日本でキャリアブレイクが必要な人とは?
・現況にモヤモヤしている人
・ストレス状態の中で働いて限界を迎えている人
・生きる意味を模索中の人
・新たな挑戦をしたいと考えている人
日本では、入社後は勤勉に働き、長くその会社で務めあげることを美徳とする文化が根強く残っています。
そのため、一時的に離職期間がある場合、「働いていない=何もしていない期間」といったイメージに捉えられがちです。
しかし、復帰後に前向きに仕事に取り組めるかは、このキャリアブレイク期間を「心身を整えて自分を見つめ直す期間」として向き合えるのかが重要となります。
キャリアブレイクを導入している事例紹介
日本でキャリアブレイク期間を設けている企業は少ないので、聞きなじみがない方も多いと思います。
しかし、新たな取り組みとして「キャリアブレイク」も選択肢の一つとして取り入れている団体や企業がありますので、ご紹介したいと思います。
事例1)ビジネス向けSNS「LinkedIn(リンクトイン)」の項目にキャリアブレイク欄を追加
LinkedInとは、アメリカ発祥のビジネスSNSで、世界では8億5,000人が利用、日本では300万人のユーザーがいます。
ビジネスに特化したSNSですが、2022年3月の新機能でプロフィール職歴欄に「キャリアブレイク」が追加となり、13項目の中からキャリアを中断した理由を設定できるようになっています。
ビジネスに特化したSNSでキャリアブレイクの項目を追加しているということは、世界的にも「キャリアブレイク」が認知・利用されていることの証明でもあります。
事例2)日本での「キャリアブレイク」を肯定的に。一般社団法人を設立
キャリアブレイクという生き方を肯定的な意味で捉え、一時休職者や離職者に向けた活動を行っている社団法人があります。
北野貴大さんが代表理事を務める「キャリアブレイク研究所」では、キャリアブレイク中の人が活動する「むしょく大学」や情報誌「月刊無職」を発行。さらに人生の転換期を迎えた方がゆっくりと休み、次の方向性を考えるための場所「おかゆホテル」を提供しています。
事例3)ヤフー株式会社は、正社員を対象に「サバティカル制度」を導入
「サバティカル制度」というのは、一定期間勤務した社員を数ヵ月~1年程度「研究期間」と捉え、職務から一旦離れて学び直しを行うというものです。
キャリアブレイクは一時的な離職や退職をしている人を指しますが、サバティカル制度の場合は、休職期間といった捉え方で、退職をしないで長期休暇を取得する方法です。
キャリアブレイク期間には何をするもの?
「働く女のライフワークマガジン」にて紹介されていた一般社団法人「キャリアブレイク研究所」の北野貴大さんの記事によると、以下のような流れでキャリアブレイク期間を過ごす人が多いと言われています。
①退職後は、自分の好きなことをとことんやる
(例:友達に会う、料理をする、旅行をする、好きな時間に寝起きするなど)
②好きな時間に好きなことをしているとこのままでいいのかと焦りが出てくる
※ここで復職パターンに戻る人が多い。
ここで焦って復職をしてしまうと、本来の自分に戻る前に仕事を始めてしまうことになり、また人生の岐路について悩んでしまうことを繰り返してしまうそう。
ここで大事なポイントは、「本来の自分に戻ること」。
具体的には、イチ会社員という枠から抜け出したときに、自分のやりたかったことを主体的に考えて行動に移すということです。
ここで初めてキャリアブレイク期間を有意義に活用したことになり、次のステップへの原動力となるのです。
キャリアブレイク期間にすることをまとめました。
【キャリアブレイク期間にすること】
・とにかく自分のしたいことに挑戦する
・自分との対話をし、主体的に物事を考える
・自分のしたいことが見つかったら、ネクストアクションをプランニングする
・焦って復職せずに、一定期間休める環境を作っておく
まとめ:キャリアブレイク期間は自分探しの旅。自分のやりたいことを明確に
キャリアブレイクについてまだまだ否定的な雰囲気がある日本。しかし、周りに流されず自分の将来に対して肯定的に捉えることが重要です。
自己との対話により、自分のやりたいことが明確化していくものですので、本来の自分に戻るまで一定の時間が必要です。
長期で休暇を取得すると、「このままでいいのかな」という不安が襲うと思いますが、焦って復職するのではなく、長期的に休んでも安心できるように予め貯金などを用意してからブレイク期間に入ることをおすすめします。
キャリアブレイク期間は自分を見つめ直す期間です。長期休暇を利用して、今までできなかった資格の取得やスキルアップを目指してみても良いでしょう。
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